思い出は涙ぐみの微笑

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満面の笑顔で

実際のところ今から20年前、わたしとジンナイは活動を共にしていました。
闇の機関からこの地球を救い、次元昇華への道を切り開くと言う意味においてわたしたちはその中枢メンバーでの同士だったのです。
ただそれがある時点より我々の間に大きな見解の相違が生まれてしまい???、と言うかそれがまさにその次元昇華に向けての『この日本と言う国の役割り』についてのものだった。
ジンナイを中心とした過激派グループにおけるこの日本の位置付けは“捨て石”とでも呼べるようなものでした。
そのほぼ完全とも言える壊滅こそがその前提として位置付けられていた。
つまりこの日本と言う国家の政治、経済、そしてその土壌、民族的レベルにおける完全なる崩壊こそが、この世界を救う鍵となると言う考え方です。

それに対するわれわれの日本に対する位置付けはむしろその反対と言いましょうか、高次元の世界へとこの地球を導く救世主とも呼ぶべきもの???、つまり崩壊寸前の世界を救世する主体としての国家、日本と言う位置付けだったわけです」

スナガワさん。
おふたりの言ってることが、正直わたしには半分も理解出来ないんですが?」
と言い返すわたしに、
ああ、これは失礼。
実はこれ以上わたしもあなたに説明しようと言うつもりもない。
そしてあなたは、自分の意図とはあまり関係のないところによって我々との協力関係が進展し、それがこのトウキョウと言う大都市の危機を救った。
とりあえずまあ、それはそれでいいじゃないですか?」
そう言ってスナガワは、例の満面の笑顔でこのわたしを見た。

その日わたしは彼らと別れた後、キツネにでもつままれたような気分で帰路に着いた。

スナガワが言っていたように、あの不思議なアメジストの欠片のような物体がこの首都圏を崩壊させるレベルの余震を回避させるパワーを持っていたと言うこのなのだろうか?
あの両手に収まるくらいの石の欠片にそんな力が備わっていたなどとは正直、どう自分の想像力を働かせたところでそれを理解することはむずかしく、かと言ってあの石がわたしとユナにもたらしたあの夢の幻覚作用やあのどう考えても現実の世界としか思えなかった別の世界、パラレルワールドでのあの鮮明な3D感覚での体験などをまっとうなロジックで説明出来るものでもない。
そしてそこで死んだ筈のミクがわたしに言い残したキーワードに従ってわたしはあのフィオレンテの丘へとたどり着いた。

そしてもうこれ以上その論理的整合性を追究したところで、他に何が出て来るわけでもないだろう。
おそらくきっと???何か定められた流れの中で単純にわたしがそのシナリオ通りに動いた。
そしてそのミッションは達成され、『全てことなきを得た』。
それでいいじゃないか。
わたしはそう自分に言い聞かせ、納得することにした。


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