途夢風情感

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QUIET NIGHTS OF GORGEOUS STARS

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QUIET NIGHTS OF GORGEOUS STARS

昨夜は深夜に帰宅予定だったが、横浜方面の仕事が予定よりも相当に早く終わり、20時前には帰宅。
すぐに入浴。
BGMに選んだのは、ジャズ好き以外にもファンが多い、弾き語りのダイアナ・クラールのアルバム『QUIET NIGHT』(2008)。
プロデューサーにトミー・リピューマ、エンジニアにアル・シュミットを迎えて、オーケストラ入りで、ボサノヴァとバラードを収録したこの作品は、リリース当時(2009年3月)、DVD付きCDを購入したかったのだが、タイミングを逃していた。
何日か前、利用した図書館で目にしたので、借りたのだった。
彼女の(ピアノに向かいながらの)クールな歌いっぷりはCDでもDVDでも何度も体感してきたが、ミュージシャンとヴォーカリストのセンスを両方供え持つこともあり、ここ数年、現在の海外のジャズ・ウーマンで最も気にしている存在かもしれない(実は、以前にも話題にしたかもしれないが、16日〜19日に『ブルーノート東京』でちょうど来日公演中の、歌う女性ベーシスト、エスペランサ・スポルディングという逸材がいるのだが、彼女の話をすると延々と続くと思うので、別の機会に)。
夫君エルヴィス・コステロに感化されたのか、ダイアナ・クラールはトム・ウェイツのナンバーも録音したり、ライヴで披露したりしている。
いつか、トム・ウェイツの丸ごとカヴァー集をダイアナ・クラールに出してもらえたら、私は相当に舞い上がるだろうと思う(雰囲気があっていると思うのだ)。
また、かつて、トム・ウェイツがベット・ミドラーとデュエットした、BARのカウンターで出逢う男女のやりとりを描いた洒落たナンバー“I NEVER TALK TO STRANGERS”をトム自身とダイアナ・クラールのデュエットで(ジャズ・アレンジで)再録してくれたなら、私にとってとても喜ばしいのだけど(私がイメージするPVの映像は、ピアノをBARカウンターに見立てて連弾する二人の姿だ)。
予定していた通り、日本盤ボーナス・トラック“EVERYTIME WE SAY GOODBYE”が流れ始めたところで、バスルームを出る。
コール・ポーターがレヴューの為に1944年に作詞作曲したこのスタンダード・ナンバーは、同時期にレイモンド・チャンドラーがフィリップ・マーロウに同じこの名文句を言わせてもいるのだが、私が心から想いを寄せるハリウッドのベスト・カップル、ハンフリー・ボガートとローレン・バコールの恋愛模様にも絡んでくる名曲だ。
ハリウッド史上の黄金カップル、ボギー&ベティ(バコールの本名)は、ハワード・ホークス監督&アーネスト・ヘミングウェイ原作&ウィリアム・フォークナー脚本の映画、『脱出(TO HAVE AND HAVE NOT)』(1944)の共演で運命的な出遭いを果たす(バコールにとってはデビュー作)。
25歳差の二人は撮影中に恋に落ちるのだが、ボギーには(既に冷え切った関係の)アル中の妻がいた。
クランク・アップして一週間程後に、ボギーは(本名のスティーヴ名義で)バコールに最初の手紙を送る。
「こんな状態でなければいいのに、とわたしは心から願っている − そのうち、いつか、きっとよくなる。『さよならを言うことは、ちょっぴり死ぬことだ』という歌の文句がいまはよくわかる − だって、このあいだ、きみと別れて去っていくときに、立ちつくすいとおしいきみの姿を目にして、わたしは心のなかでちょっぴり死んだんだよ」(ローレン・バコール著、山田宏一訳、『私一人』より)。
この時、ローレン・バコールは二十歳、ハンフリー・ボガートは40代半ば。
仮に今の私が25歳下の女性と運命的な出遭いをするようなことがあったなら、同じ感慨を持ち、似た内容のラヴレターを寄せるのではないかと思う(時代は変わっても、メールではなく、直筆の手紙になろう)。
25歳年下の女性にとっては人生の時間はまだまだ長いが、人生の折り返しをとっくに過ぎた中年男には人生の時間(の費やし方)に対して思うことは多々ある。
二人は1945年5月に結婚するのだが、1957年1月のボギーの病死で25歳差の恋愛は終止符を打たれる(ボギーは50代後半の若さだった。勿論、その後の今日までの半世紀超のボギー不在のバコールの人生においても尚、ボギーは特別な存在のままではあるのだが)。
この曲が、ジャズ・ライヴで歌われる度に、あるいは、BARのカウンターにいて流れる度に、私はボギー&バコールの深い絆に想いを馳せ、自分の人生と照らし合わせて、(日頃は忘れているふりをしている)人生の無常(非常)について向き合うのである。
ノーテンキな曲が多いコール・ポーターの作品の中では最も心に染み入る曲かもしれない。

ダイアナ・クラールの歌う“EVERYTIME WE SAY GOODBYE”が終わったところでTVをつけると、予定通り、第34回日本アカデミー賞授賞式の中継が始まったところだった。
本家アカデミー賞同様、ここ数年は興味が失せていたのだが、久々に初めから終わりまで授賞式の模様を観た。
俳優部門は『悪人』、作品賞や監督賞等は『告白』、各々の独占受賞となった(前々から思っているのだが、「日本アカデミー賞」と名乗るのであれば、毎年各局持ち回りで主催&中継してくれる方向に向かってくれたら、受賞価値はより増すと思うのだが…)。
観てはいないから何も語る資格はないのだが、共に殺人を犯した人間が主人公。
その物語や演技を支持する、若い層を中心とした日本人達。
かつて、『青春の殺人者』という衝撃作と対峙してから時間が遥かに経過した今、殺人者を主人公にした物語が当たり前に娯楽としてある日常に、思うこと多々。
裏方の仕事が数多評価された『十三人の刺客』は、1963年に公開されたオリジナルの傑作を学生時代に観る機会を得て、今回の時経てのリメイクも楽しみにしていた。まだ観ていないので、今後、劇場で観る機会があればと思っている(授賞式の中継において、この作品に限ったことではないのだが、未見者が「それはないよ」と言いたくなる、本編の重要場面を流していた。野暮が罷り通る時流なのか。残念に思う)。
俳優では、タモリ氏でなくても、映画人吉永小百合サマのお姿が観られたのが嬉しい。
それから、学生時代を含めた20代前半に交流を持った石橋蓮司さん(『今度は愛妻家』)、20年程前にお話を伺っている夏川結衣さん(『孤高のメス』)の俳優部門ノミネートが個人的にはまたとても喜ばしかった。
そして、『悪人』で助演女優賞ノミネートの満島ひかりさんである。
女優として気になり始めたのは、欠かさずに見ていた、2005年〜2006年にかけて放送された『ウルトラマンマックス』のアンドロイド隊員役(『ウルトラQ』を含めた「ウルトラ」の初期シリーズに夢中になった世代の私は、平成の「ウルトラ」シリーズも予約録画して殆ど全て見ていた)。
その後、彼女自身のブログをたまたま見たら、その文章(文体や感性)にぶっ飛んだ。只者ではないと思い、携帯電話にブックマークし、彼女のブログは頻繁に読んでいた(今は終えてしまったようだが)。
そして、ここ数年の、マイナー映画を主体にしての女優としての活躍。その存在感は、ライター仲間でも話題になるようになった。
昨年、『キネマ旬報』でも満島ひかりさんの特集が組まれていたが、つい数日前も『GQ JAPAN』2月号の記事とグラビアを図書館で目にしていたばかりだった。
朝の連続テレビ小説にも再度出演するとのこと。
民放のドラマでの猟奇的な役所も印象に残った。
バランス感覚がありながら、一筋縄ではいかない。
同世代(20代半ば)の、(男優を含めた)俳優の中では最も注目している存在(と言いながら、劇場作品は一作も観てはいないのだが…)。
彼女の出演作や文章と改めて向き直った上で、いつか、対峙してお話を伺ってみたいものだと思う。
女優満島ひかりの10年後を想像するだけで、私は日本映画の期待を膨らませている。

日本アカデミー賞授賞式の中継を観ながら、アマダイのワイン蒸しに温野菜のサラダを添えて、食事を済ませた後、料理に使った白ワインを続けて味わう。
1月に『ヴィノスやまざき』自由が丘店で試飲後に購入した、プティプロ・シャルドネ・樽熟成(写真)。
『ヴィノスやまざき』とは長い付き合いになる「蔵直」グールガゾー(ランドック)が『ヴィノスやまざき』オリジナル・ラベルで「プティプロ」として生まれ変わったもの。
シャルドネ・樽熟成は、ワイン専門誌『ワイン王国』でも満点5つ星の「超特選ベストバイ」に選ばれた評判のデイリー・ワイン。
今回は雪印の6ピース入りプロセスチーズに合わせたが、食事にも合う。
3月18日まで、通常1,580円が1,280円で購入出来る。
他にも、プティプロの白赤数種が各々お得価格で購入出来るので、白だとヴィオニエ(通常\2,200→\1,780)、赤だとミネルヴォワ(通常\2,380→\2,180)辺りを試してみたいなぁ、と思っている。


ところで、日本アカデミー賞授賞式の模様をTVで御覧になった方の目に映ったかと思うが、あの場には一般客も百名以上がいた。
別室(レストラン)でのフルコース料理コミで、一人4万円の席なのだとか。
現在の日本映画界を担うスター俳優が結集する同じ場に居られることに4万円を惜しむか惜しまないかは人それぞれであろう(かつて「映画好き」を公言していた私は、そのTV中継を、千円台のデイリー・ワインに198円のチーズを添えて観ていた訳なんだけれども)。
私の場合は、六本木の(常時ボトル・キープしている)ジャズ・クラブに8回通うだろうなぁ(8回行けばウイスキーのボトルは空けるだろうから、新たなボトルを入れたとしても、6回は足を運べて、その内一度はお気に入りのBARへ流れ、グラスを2杯か3杯傾けられるだろう)。
この頃、文化の存続について考える機会が多いのだが、三ツ星レストランに一度行く贅沢よりも、提供者や出演者の糧ともなる豊饒をこそ、どんな時代や自身の境遇であれ、選択していたいと思う。


○追記
日本アカデミー賞授賞式の際、スタッフの部門で旧知の方が受賞されていたので、今朝、お祝いのメールを送っておいた。
先程、御返事が届き、昨夜は受賞対象の映画の関係者が顔を合わせたので、遅く(朝早く)まで祝杯をあげていたとのことだった。
裏方と呼ばれがちなスタッフの仕事が評価されるのは喜ばしいのだが、中継でもう少し時間を割いて称えていただけたら更に嬉しく思う。


『ヴィノスやまざき』のワイン
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途夢b待人
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“女神の街”に80年代初から心寄せ続ける男の、「WJJ」(WINE,JAZZ,&自由が丘)興趣の随想録。
明日(次代)の風情&情感+感応(眩耀)に期して。
[2007.2.20-2011.5.17]
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