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吉祥寺の午後、自由が丘の夜 [moblog]
2010/07/11 11:27:17
吉祥寺の午後、自由が丘の夜
吉祥寺の午後、自由が丘の夜
吉祥寺の午後、自由が丘の夜
昨日は、久々の丸一日オフ。
午前中に3時間程原稿書きをしてから、カジュアルなコーディネートで向かったのは吉祥寺。
以前にも話題にした、大好きな老舗ジャズ・クラブ『SOMETIME』では、夜だけでなく、土日の午後にもライヴが楽しめる。しかも、名のあるミュージシャンが出演して、2セット千円というミュージック・チャージ。
5月にキープしたボトルがこのままでは一度切りで期限切れになりそうな気がしたので、終電の時間を気にせずに済む週末午後のライヴで活用しようと思った次第。
14時開演だったが、気温がピークになる前に吉祥寺入りしようと思い、12時40分頃に吉祥寺駅に到着。
1時間程余裕がある。
ハモニカ横丁へ入る。
近年、年齢問わず気軽に入れるお洒落なダイニング・バーが充実。その一角にあるワイン・ショップのワインは、このハモニカ横丁の他の店に持ち込みも可能。

駅に面している立ち飲みBARが目に留まり、中に入る(と言ってもオープン・スペースの為、ドアらしいドアはないのだけど)。
『POLLO(ポヨ)』という店名は、スペイン語でチキンを意味するとのこと。
美味しそうなチキンが何羽も丸ごと焼かれ、テイクアウトする向きも多いようだ。
7月中は「麦とホップ」のジョッキが最初の1杯は100円で飲めるとのことで、注文。
自宅では、「ビールもどき」を購入しても風呂上がり等にトマトジュースと割って飲む程度なのだが、ジョッキに注がれるそれは良く晴れた土曜の午後にイケた。
仔羊の香草焼きを注文し、2杯目はバカルディ・ラムのモヒートにした。
実は、この店を選んだのは、路上に迫り出した樽型テーブルについていたチョイ不良的中年オヤジ二人が葉巻を加えながら、このモヒートを飲っていたからなのだ。
「先輩、わかってらっしゃる」の感。
流行りのままに精神性が伴わずにハットを被る若者達よりは遥かにお洒落。
見るからに美味しそうだった。
実際に美味しかった。
開放的なスペースなので、遠慮なく、写真を一枚。写真からだけでも、ダブル・ラム(rum&lamb)の美味しさが伝わるかと思う。
モヒートは一気に飲み干し、ミントの葉を幾つか口にした。
好漢のスタッフに笑顔で礼を述べ、20分程で店を出る。キャッシュ・オン・デリバリーで、三品注文して、計1,100円。
こんな、気軽にフラッと立ち寄れる店、自由が丘にも欲しいなぁ。

ジャズ・ディスク・コレクターの聖地のひとつである吉祥寺の『disk union』(中古ディスク店)に入ったが、少なくとも1時間くらいはディスク捜しをしたいような店なので、ライヴ終演後に再び寄ることにする。

開演20分前に、思い入れ深い『SOMETIME』へ。
出演者は、ディナ・ハンチャード(vo)、道下和彦(g)、クリス・ハーディー(perc)という顔触れ。
ディナ・ハンチャード(Dina Hanchard)という素晴らしい女性ヴォーカリストの名は以前から知っていたし、ディスクでも聴いたことがあったが、生の歌声は初めてだと思う。クラシックとジャズ、両ジャンルで活躍されていて、2003年に洗足学園音楽大学のジャズ・ヴォーカル部門設立にも一役買った存在だ。どうやら、NYと日本を行ったり来たりの生活のようだ。
お相手を務めるギタリストは、2ヶ月前に新宿『J』で贔屓のヴォーカリストR嬢がツイン・ギターとの共演ライヴをやった際のお相手。R嬢もまた、その時のもう一人のギタリスト(出演ギタリストの弟子)と共に『SOMETIME』の客席に現れていた。
このヴォーカリストとギタリストの共演は、前日の9日(金)に学芸大駅近くの『珈琲美学』でも為されていた。女性フルーティストとのトリオで、そちらも興味津々だったのだが、吉祥寺『SOMETIME』を選択したのは、もう一人のミュージシャン、パーカッションのクリス・ハーディさん(Christopher Hardy)の存在が大きかった。
吉祥寺『SOMETIME』のライヴの大きな特徴は、出演のミュージシャンが互いに向き合う形で演奏するところだ。他のライヴ・スポットとは違い、店内中央のグランドピアノ等演奏スペースを中心に客席が取り囲んでいる構造故なのだが、ミュージシャン同士はアイコンタクトがスムーズで互いの呼吸が感じ取れ、また、我々観客も一体感をより深く得られる。
大好きな空間だ。
日中というのに、数多の客が集った(予め予約しておいて正解だった)。
グランドピアノの前に立ったディナ・ハンチャードさんが、マイクを通さない声で“アメイジング・グレイス”を歌い始めた。
観客は物音ひとつたてずに、聴き入っていた。隣席のベスト・ポジションに、私よりも早くに予約していた女性はその途中から涙を流し始めた。
それ程素晴らしい“アメイジング・グレイス”だった。
2ステージ中、ジャズのスタンダードはロジャース&ハートの“マイ・ロマンス”のみで、後はディナさんのオリジナル中心だったが、どれも皆素晴らしく、魅了された。
ディナさんは、ピアノの弾き語りをしたり、2種の横笛を使い分けたり、見たことのない四弦民族楽器を爪弾いたりした。
3人は打ち合わせらしい打ち合わせは全くしていなかったようだ。
1曲終わる度に、その場の気分(空気感)で曲を選び、スーッと自然に演奏が行われた。ギターとパーカッションの変幻自在のアドリブにも魅せられた。
素晴らしい時間だった。
2セットのライヴが終了したのは16時半過ぎ。
ミュージック・チャージとボトル・セット料金、摘みに選んだサラダを合わせて、計二千円。
もし、『SOMETIME』が近場にあったなら、毎日来たいくらい。否、この『SOMETIME』の雰囲気に浸る為だけで、吉祥寺に引越したいくらい。
店の外に出て、余韻に浸りつつ、佇んでいたら、ヴォーカルR嬢に声をかけられた。
「気がついたら、涙を流していました」とR嬢。
その気持ち、わかるなぁ。
「私の理想とするヴォーカルです」とも。

元気に仕事先に向かったR嬢と別れてから、再び『disc union』へ。
たっぷり時間をかけて、3枚のジャズCDを購入。
女優のシビル・シェパードがスタン・ゲッツ(ts)、オスカー・カストロ・ネビス(g)、フランク・ロソリーノ(tb)等豪華ミュージシャンと共演したボサノヴァ・アルバム『MAD ABOUT THE BOY』(1976)。大好きなアルバムで、実は、購入は3度目(気に入ったものはプレゼントしてしまう質なもので)。
小粋な演奏と歌声を聴かせる、大好きなパット・モラン・カルテットの『THE PAT MORAN QUARTET』(1956)&『WHILE AT BIRDLAND』(1957)のカップリング盤。各々のアルバムは所有しているのだが、まとめて聴きたい時にはうってつけ(約70分収録)。
ジューン・クリスティ(vo)の『SOMETHING COOL』(1953〜55)。自分でも意外なのだが、ディスク購入は初めて。名盤のLPに未収録の13曲を加えたコンプリート盤。

もう少し、吉祥寺の街をウロウロしたかったが、遅くならない内に、近場へ移動。

自由が丘へ。
夕食は、5月上旬以降1ヶ月に1度ペースの、比内地鶏と和食の店『藍(あおい)』で。
ボトル・キープの芋焼酎をロックでちびりちびり飲りながら、BGMのジャズに耳を傾けたり、柔らかな蛸の刺身や地鶏のたたきを味わったり。
親子連れ3人が入って来た。
卓席が一杯なので、私の並び、カウンターへ。
私と同年代くらいの、優しそうな佇いの父親が隣の娘にメニューを拡げて、「飲み物は何にする?」と尋ねると、「何やってんの?フードの頁じゃん!」という応えが返ってきた。
反抗期くらいの娘だろうかと思ったら、アルコールを注文(その隣席の弟は未成年ということでソフト・ドリンク。無愛想な姉とは対象的に今風の草食系美青年)。
母親が何かの用事で出かけている為に、父親が一度仕事帰りに足を運び、食事の美味しさに魅了され、子供達を誘った感。
娘からは欝陶しがられ気味だが、素敵なお父さんぶりだった。
私の人生では得られない風景。
羨ましかった。
席を立つ時に、その心優しい父親が私に「静かに過ごしたかったでしょうに、お騒がせして申し訳ありません」と声をかけて下さった。
不愉快な想いは全くしていなかったので、正直、驚いた。
自分の子供達に対してだけでなく、気遣いの方なのだろう。
「ごゆっくり」と笑顔で返して、主にも礼を述べて、『藍』を出た。

久々に、「一番街」へ足を運ぶ。
贔屓のBARへ。
学生時代に石橋蓮司さんや夏目雅子さんに出遭ったスナックで良く顔を合わせていたI氏と久々に顔を合わせる。
隣席の女性に、「彼はとにかく美少年だったんだから」といつもの解説。
お馴染みのパターンに、店主K氏も苦笑。
同じ「一番街」にある老舗BAR『LOFT』が30周年を迎え、三千円で飲み放題とのこと。一番街の今日のBAR文化の礎を担った先輩格のBARに、K氏も閉店後に足を運ぶとのこと。
『LOFT』とは数える程しか交わっていないのだが、私も便乗しようと思った。
ジン・リッキー1杯だけで席を立ち、『LOFT』へ。
が、ドアを開けると、明らかに無理な様子が伺えた。すし詰め状態。歴史のある店故、昔からの馴染み客も駆け付けていることだろう。
スタッフに「おめでとうございます」と声だけかけて、階段を降りる。
昼間から飲み過ぎた(ボトル・キープの店のハシゴなんて初めてのこと)。
まだ、夜はこれからという時間帯だったが、帰ることにした。

単に飲んだくれてしまった一日とも言えるが、素敵な音楽に身を寄せ、数多の人々の優しい笑顔にも触れた、素敵な一日だった。

いつの間にか、ソファで眠ってしまったようだ。
朝6時過ぎには目覚め、家事諸々をしたり、用事を済ましてから、この記事を書いている。
BGMは、昨日購入したディスク達。

もう暫くしたら、投票所へ向かおうと思う。
生中継のない名古屋場所の初日、選挙、サッカーW杯の決勝。
様々な想いの詰まった日曜日。


※3枚目の写真は、BAR『LOFT』入口で撮影。
この見事なまでのピンボケぶりと構成の無さ(貼紙の字を全て読み取れる方はいまい…)
相当に酔っていたようで…。


自由が丘のBAR
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80年代初から自由が丘の街に心を寄せる、途夢のWJJ(ワイン、ジャズ、&自由が丘)風趣漂う雑感綴り。
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