フリーズを連想させる横長の画面の中央へは現地の民族的な衣服を身に着けた5名の若い女性が配されており、各々が象徴的な姿態で立っている。ほぼ同様の髪型で自身の影も描かれない人物表現は絵画としての平面性がよく表れており、装飾的効果も高い。
この女性らの中で最も注目すべき点は右から2番目に配される頭に花輪と赤い花柄のパレオを身に着けた少女にあり、ひとりだけ(あたかも強調するかのように)深い緑色の陰影に包まれるこの少女については、一部の研究者から愛娘アリーヌの肖像とする説も唱えられている。
さらに5人の女性らの周囲には地面に座り込む3名の人物が配されており、立像と坐像の人物的対比が考慮されている。さらに背景や画面の構成要素として描かれる複数の細い木々や白い花、赤々とした平面的な大地そのものの色彩表現もゴーギャンの特徴が良く表れており、観る者の視線を惹きつける。